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マルヰコラム

COLUMN

人工皮革

2024年1月25日

人工皮革のメリットとデメリットを解説!弱点をカバーするためにできることとは

人工皮革のメリットとデメリットを解説!弱点をカバーするためにできることとは

人工皮革はプラスチックを原料に作られた合成素材で、天然皮革に見た目が近い上に、天然皮革よりも扱いやすいというメリットを持ちますが、その一方でどのようなデメリットがあるのでしょうか。

今回は、人工皮革の特徴についてご紹介し、人工皮革がどのようなメリットとデメリットを持つのかをお伝えします。

人工皮革とは

人工皮革とは、動物の皮に似せて作られた合成素材です。一般的には、プラスチックや合成繊維から作られており、代表的な原料はポリウレタン(PU)やポリ塩化ビニル(PVC)などがあります。

近年、人工皮革は技術の進歩により天然皮革に近い外観や手触りを持たせることができ、手袋や鞄、財布やジャケットなどの革製品で活用されています。

人工皮革の構造

人工皮革が天然の皮革に近い風合いが出せるのは、その構造が天然皮革に近いからです。

天然皮革は、まず、表面の毛と表皮部分を取り除いて製品化されますが、その処理の後、最も表面に現れるのが「銀面層」と呼ばれる表皮部分に近い繊維構造を持つ部分です。

そして、その下に「コラーゲン層」がある構造で、このコラーゲン層が天然皮革の滑らかさや上質な質感を生み出しています。

一方、人工皮革は、表面はポリウレタン樹脂を用いた「表面樹脂層」で天然皮革の見た目を再現し、質感を担うコラーゲン層は「不織布層」を用いることで天然皮革に近い構造を作り出しています。

この不織布層は、極めて細いナイロンやポリエステル繊維を立体的に絡み合わせ、それにポリウレタン樹脂を浸み込ませてベースとなる層で形成されます。

よく比較される素材に「合成皮革」がありますが、ベースとなる層に、不織布以外の編物や織物を用いる点が人工皮革とは異なり、安価で製造できるメリットはありますが、天然皮革への再現性では人工皮革に劣るとされています。

人工皮革のメリット

では、人工皮革はどのようなメリットがある素材なのでしょうか。

コストが低い

人工皮革の製造にはプラスチックや合成繊維などの合成素材が使用されます。そのため、天然皮革よりも比較的安定した供給が確保され製造コストが予測しやすくなります。

また、人工皮革の製造プロセスは天然皮革の場合に比べてより効率的で簡略化されており、生産コストを抑えることができます。

これらの理由から、人工皮革は天然皮革に比べて低いコストで製造できるメリットがあります。

高い耐水性

人工皮革は通常、水を浸透させにくい素材で作られています。これにより、雨や水しぶきなどから製品を保護し、内部の素材や物品を濡れから守ります。

また、人工皮革は湿気に対しても耐性があるため、天然皮革には注意が必要な湿気による変形やカビの発生が少ないとされています。

軽量

人工皮革はベースの素材に不織布を使用していることもあり、一般的に軽量で柔軟性があります。

そのため、スポーツウェアやアウトドア用具、旅行用品など、軽量性や柔軟性、耐久性が必要な製品に幅広く活用されています。

人工皮革のデメリット

人工皮革のデメリット

メリットが多くある人工皮革ですが、デメリットとなる特性も持ち合わせています。

通気性の制約

天然皮革は微細な孔が存在し、これが通気性を確保していますが、プラスチックを原料に使用する人工皮革は密閉された構造を持つ傾向にあり、空気の循環が制限され通気性が低くなるデメリットがあります。

そのため、通気性が重要な要素となる衣類や靴など直接肌に触れる製品の場合には、素材の特性を確認し通気性を確保するための設計が必要になります。

経年劣化

天然皮革は、使い込むことで皮革は柔らかくなり柔軟性が向上しますが、人工皮革は時間とともに柔軟性を失い、表面にひび割れが生じたり、裏地から剥がれたりするデメリットがあります。

これにより快適性が損なわれるだけでなく、製品自体の寿命が短くなる恐れもあるでしょう。

低い耐久性

人工皮革の耐久性は使用されている素材や製造プロセス、製品の品質などに大きく依存しますが、一般的には、天然皮革と比較して人工皮革の耐久性は低いとされます。

なぜなら、原料として使用されているプラスチックは摩耗や熱、紫外線などに影響を受けやすく、時間とともに劣化する傾向があるからです。

また、人工皮革は環境条件に敏感で、湿度や温度の変化によっても劣化が進み、極端な気温や湿度の条件下では耐久性が低下するデメリットがあります。

人工皮革のデメリットを補うために

人工皮革のデメリットを補うためには、製造時の原料の選択から使用時のメンテナンスに注意を払うことが重要です。以下に、人工皮革のデメリットを補うためにできることを示します。

高品質な原料を選ぶ

これは製造段階でできる工夫ですが、高品質な原料を使用することで人工皮革のデメリットの一部をカバーすることが可能です。

例えば、高品質な合成素材を使用した人工皮革は、摩耗に対する耐久性が向上したり、通気孔が多く施され通気性が向上したりしています。

こうした原料を用いることで、環境条件の変化に対しても安定性が向上した人工皮革が製造できるようになるのです。

適切な使用環境を考慮する

人工皮革は合成素材から作られており、その特性や耐久性は環境条件に影響を受けやすいのがデメリットの一つです。

ですので、適切な使用環境を考慮することは人工皮革のデメリットをカバーするために欠かせません。

具体的には、高温・多湿の人工皮革にとって厳しい条件を避けたり、人工皮革の色あせや変色が起こる可能性がある直射日光に長時間当てたりしないなどです。

このように、適切な使用環境を考慮することで、人工皮革製品の寿命を延ばし外観や性能を維持することができます。

適切なお手入れをする

人工皮革は、製品を美しく保てるよう適切にお手入れをすることで人工皮革の寿命を延ばすことが可能になります。

まずは、汚れが付着したら早めに柔らかい布やスポンジ、中性洗剤を用いて優しく拭き取ります。

次に、人工皮革は通気性が低く乾燥しやすい素材であるため、定期的に保湿剤を使用するか、専用の人工皮革用クリームやスプレーを使って製品に潤いを与えることで、柔軟性を維持し、劣化などのデメリットを防ぐことができます。

▼人工皮革が劣化する理由とメンテナンス方法について詳しくはこちらもご覧ください。
人工皮革の劣化には不織布が関係ある?劣化の理由と対策方法

自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

今回は、人工皮革のメリットやデメリットについてお伝えしました。

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機能性を持たせた不織布の製造が可能ですので、疑問点やお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。