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マルヰコラム

COLUMN

人工皮革

2024年1月15日

人工皮革の劣化には不織布が関係ある?劣化の理由と対策方法

人工皮革の劣化には不織布が関係ある?劣化の理由と対策方法

人工皮革は天然皮革に似た風合いが特徴の素材ですが、人工皮革を利用した製品は劣化に注意を払って使用しなければなりません。

そしてその劣化に、人工皮革に使用されている不織布が関係しています。

そこで今回は、不織布製造メーカーのマルヰ産業が人工皮革の劣化はどのような理由で起こるのかを解説し、劣化を防ぐ対策方法もあわせてご紹介します。

人工皮革とは

人工皮革とは、動物の皮を使用せずに作られた合成素材で、天然の皮革に極限まで風合いを近づけたものです。

天然の皮革と遜色がないクオリティで、さらに天然の革よりも軽量であったりフィット感が良かったりすることなどから、手袋や鞄、財布やジャケットなどさまざまな革製品で活用されています。

人工皮革の構造

人工皮革が天然の皮革に近い風合いを出せる仕組みはその構造にあります。

人工皮革の構造は、表面はポリウレタン樹脂を用いた「表面樹脂層」で、ベースとなる層は極めて細いナイロンやポリエステル繊維を立体的に絡み合わせ、それにポリウレタン樹脂を浸み込ませた「不織布層」になっています。

この不織布層が、天然の皮革のコラーゲン層の役割を果たしており、革独特のソフトな質感を再現しているのです。

合成皮革との違い

人工皮革と同様に、天然皮革に似せた合成皮革というものがあります。

合成皮革の表面は人工皮革と同じポリウレタン樹脂を用いた表面樹脂層ですが、ベースとなる層に、不織布以外の編物や織物を用いるのが人工皮革とは異なる点です。

不織布よりも安価に製作できる利点や、軽量で防水性に優れるといったメリットがありますが、不織布を用いていないため天然皮革に近いような柔らかさは表現できません。

人工皮革は劣化する

人工皮革は劣化する

人工皮革は、時間の経過や使用の状況に伴って劣化することがあります。劣化の具体的な要因や速度は素材や製造プロセスによって異なりますが、主な劣化は、ひび割れや色あせ、変形、硬化、強度低下などです。

このような劣化が進んだ人工皮革は外観が損なわれるだけでなく、破れやすくなったり適切な形状で使用できなくなったりして元に戻すことが難しくなってしまいます。

人工皮革が劣化する理由

では、上記のような劣化が生じてしまう理由にはどのようなものがあるのでしょうか。人工皮革の構造である表面樹脂層と不織布層とでどのような劣化理由があるのかを解説します。

人工皮革の劣化理由:表面樹脂層

まずは、人工皮革で外部と接触する部分である表面樹脂層。ここはどのような要因で劣化してしまうのでしょうか。

摩擦

表面樹脂層は直接触れることが多いため、日常的な摩擦や擦れが劣化の主な原因となります。例えば、靴やバッグなどの製品は使用中に摩擦が発生しやすく、これが表面樹脂層の傷みや劣化を引き起こします。

紫外線

日光にさらされることで、紫外線によって表面樹脂層が劣化しやすくなります。これにより、色あせやひび割れが生じることがあります。

化学物質

化粧品や油分などの化学物質が直接表面に影響を与えることがあり、これが人工皮革の表面樹脂層の劣化原因となります。

人工皮革の劣化理由:不織布層

人工皮革のベースである不織布層がどのような要因で劣化し、人工皮革に影響を及ぼすのかを解説します。

湿気と水分

不織布は湿気や水分に敏感であり、湿度が高い環境や水にさらされることで劣化が進む可能性があります。湿気により不織布が変形して人工皮革の質感を変えたり、カビや異臭を発生させたりすることもあります。

高温環境での使用や保管は不織布の劣化を促進させてしまいます。特に、耐熱性の低い不織布を人工皮革のベースに使用してしまうと、熱により変質しやすくなるでしょう。

物理的なストレス

不織布は物理的なストレス(引っ張り、押し潰し、折り曲げなど)が加わると劣化が進む可能性があります。

物理的なストレスによって不織布層が劣化してしまうと、人工皮革が破れやすくなったり柔軟性がなくなったりしてしまいます。

人工皮革の劣化を防ぐ方法

人工皮革の劣化を防ぐ方法

人工皮革の劣化を防ぐためには、適切なケアやメンテナンスが重要です。以下は、人工皮革製品の劣化を防ぐために有効な一般的な方法です。

適切な保管

人工皮革製品を直射日光や高温、湿気から保護するため、適切な場所に保管することが重要です。直射日光を避け、通気性のある環境で保管すると劣化を防ぐことができるでしょう。

定期的なクリーニング

汚れや塵を定期的に取り除くことで、人工皮革の表面劣化を防ぎます。柔らかい布やブラシを使って優しく掃除し、表面を傷つけないように注意しましょう。

適切なクリーニング剤の使用

人工皮革用の専用クリーニング剤を使用して製品をクリーニングすると劣化予防に効果的です。適切なpHレベルのクリーナーを選び、硬いブラシや強力な溶剤は避けるようにしましょう。

摩擦の予防

長時間の摩擦や擦れは人工皮革表面の劣化を促進します。摩擦をできるだけ軽減できるような適切な方法で製品を使用しましょう。

自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

今回は、人工皮革についてお伝えしました。

マルヰ産業は、自動車部品から建設業界に至るまで、日本のものづくりを影で支える「不織布」専門の製造・加工メーカーです。

さまざまな種類のニードルパンチを製造してきた実績がございますので、疑問点やお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。