
不織布には寿命があり、どんなに適切な使用方法をとっていたとしても、永久的に使用できるものではありません。しかし、製造方法の工夫や使用する素材の種類によって耐久性を高めて不織布の寿命を長くすることは可能です。
そこで今回は、一般的に不織布の寿命はどのくらいなのか製品別に紹介するほか、不織布の寿命が比較的長く劣化しにくい素材や、耐久性を高めるための製造段階の工夫についてご紹介します。
目次
不織布には寿命がある
私たちの身の回りにはさまざまな不織布製品がありますが、それらは永久的に使用できるわけではなく、一定の期間が経つと寿命を迎えます。
不織布の寿命は、製品の使い方で変わるほか、原料の種類や製造方法などの違いでも異なるものです。
できる限り不織布の寿命を長くするためには、不織布の適切な使い方を守ることや、製造段階で、メーカーが耐久性の高い不織布になるよう製造方法を工夫する必要があります。
【製品別】不織布の寿命
ここで、製品ごとに不織布の寿命はどれほどなのか、適切な使用方法をした場合の目安を確認しましょう。
製品名 | 寿命 |
---|---|
マスク | 3年(未使用の場合) |
衣類カバー | 2〜3年 |
ホットカーペット | 5年 |
スポンジ | 1ヵ月 |
防草シート | 1年~10年 |

不織布の寿命が短くなる原因とは
不織布は、編み物や織物とは異なり、繊維を折らずに絡ませて作る布です。その構造上、洗濯を繰り返すと繊維同士の絡みがなくなり、形状が崩れて寿命を短くさせてしまいます。
また、紫外線に弱い天然繊維や、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が原料の不織布は、直射日光にさらされる場所に置いておくと劣化してしまいます。劣化が進むと、繊維が切れてしまい、不織布も粉々になって寿命を早める結果となるでしょう。
耐久性が高く寿命が長い不織布の素材とは

不織布の寿命は、使用される素材によっても変わってきます。
中でも、PET(ポリエステル)は、紫外線に強く、耐熱性も高く強度も強いので、耐久性が高い不織布になります。
用途としては、インテリア、生活用品、自動車用、土木用など、多岐に使用され、直射日光に晒される防草シートなどにも最適です。ほかの素材に比べて寿命が長いことから、最も多くの用途で使用されています。
一方、PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)は、PETに比較すると紫外線の影響を受けやすいほか、耐熱性が低いといった特徴があるため耐久性は低くなってしまいます。
そのため、紫外線の影響を受けにくい生活雑貨やカーペット、ロープなどの産業資材として利用されています。
不織布の寿命を長く耐久性を高めるための工夫
不織布は、繊維を一定の方向やランダムに重ねて結合させてできているものです。そのため、耐久性を高めて寿命を長くするには、繊維同士をより強く接着させる必要があります。
そこで、耐熱性は低くなってしまいますが、低融点繊維を多く取り入れて、熱による接着を強固にすることで不織布の強度を上げる方法が一般的に用いられています。
ほかには、ニードルパンチ不織布を製造する際の加工条件で、より強く繊維同士が交絡するように設定することで耐久性を高めることも可能です。

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今回は、不織布の寿命についてお伝えしました。
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