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マルヰコラム

COLUMN

コラム

2021年11月16日

不織布の作り方は?製造工程・製造方法について解説

ニードルパンチ不織布とは?その特徴

不織布の作り方には、材料となる繊維の調合・繊維間の結合・巻き取りなどの工程があり、その製造方法には加熱処理・接着剤使用・針による絡み合わせなど、さまざまな方法があります。

今回は不織布の製造工程・製造方法、使用される繊維の種類について解説します。また不織布を作る際の注意点もまとめているので、参考にしてみてください。

不織布はこうして作られる!製造工程・製造方法は

不織布の作り方は、まずは原材料の調合から始まります。では具体的に、製造工程と、主な製造方法についてどんなものがあるか確認していきましょう。

1.原材料の調合

原材料の調合では、不織布の原材料となる短繊維(15~100mm程度)の割合を決めます。調合によって不織布の仕上がりが異なるため、どんな特性を持たせたいのか、用途を踏まえた上で、原材料の選定や調整をします。

2.ウェブ形成

ウェブとは「繊維状のシート」のことで、調合した繊維を1枚のシートにする重要な工程となります。ウェブの形成方法は、繊維を機械に通し、幅を広げて薄い状態にした上で、一定方向に繊維の向きを整えて仕上げます。

ウェブ形成で繊維を均一に丁寧に並べることで、不織布になった際の品質が向上します。
主なウェブ形成の方法は以下の通りです。

乾式法

乾式法は、短繊維を乾いた状態からウェブにする方法で、ローラーの付いたカードと呼ばれる機械や、空気流を利用するエアレイを使用し、繊維を一定方向またはランダムに並べてウェブを形成します。

湿式法

湿式法は短繊維の中でも、6mm以下のごく短い繊維を水中に均一に分散し、網の上で圧力や熱で脱水し 、ウェブを形成します。湿式法では、紙に近い風合いが出せるのが特徴です。

スパンボンド法

スパンボンド法では、原材料である樹脂チップを溶融して積み重ね、シート状に結合させます。長い繊維をつくることができるため、引張強さのあるウェブが形成できます。

3.繊維間の結合

ウェブ形成だけでは、強度が低い状態であるため、針や接着剤、熱などを加えて繊維間の結合を強化します。繊維をどのくらい結合させるかによって、強伸度・厚み・摩耗性などが決まります。

また必要に応じて、繊維間の結合後に、加熱加工を施す場合があります。
なお、繊維間の結合には以下の方法があります。

ニードルパンチ

ニードル(針)によって繊維間を絡み合わせて作る方法です。繊維同士を絡み合わせるため、低目付(低重量)でも丈夫な不織布が作れます。注意点としては針という危険物を使用している点や、ケバ立ちが発生する点があります。

用途:自動車内資材、土木・建築用資材、日用雑貨など

ケミカルボンド

ウェブに接着剤をスプレーして繊維を結合させる方法です。ケミカルボンドでは、接着剤の種類や、使用量、分布状態によって硬さの調整ができますが、耐久性・強度に欠ける点が気になる点として挙げられます。

用途例:衣料品(芯地)、各種フィルターなど

サーマルボンド

加熱処理を施して、繊維を結合させます。サーマルボンドでは溶解性の接着繊維をあらかじめ混合するため、厚みや重量を出すことができます。ただ融点の低い接着繊維を使用している場合があるため、耐熱性に欠けることがあります。

用途:断熱材、防音材、各種シート、クッション材など

スパンレース

高圧水流の噴射によって繊維を交絡させ、繊維を結合する方法です。スパンレースは接着剤を使用していないため、衛生的で、ドレープ性(自然にできる布のたるみ)に優れていますが、強度の高い不織布が作れないという欠点もあります。

用途:衛生用品、医療用品、日用雑貨など

4.巻き取り

巻き取りでは、繊維間結合したものをロール状に巻き取る作業を行い、結合した不織布の風合や、重量などを確認します。

不織布の製造方法でシェアが高いのは?

不織布の製法別シェアは以下の通りです。
・スパンボンド・メルトブロー  27.1%
・ニードルパンチ  19.6%
・スパンレース  16.8%
シェアが最も高いのは、フリースの形成方法である「スパンボンド・メルトブロー」で、原材料である樹脂チップを溶融して積み重ね、シート状にする製法で、オムツなどの衛生用品や土木資材などに使用されています。

繊維間結合の製法では、多数のニードル(針)がある機械で不織布を作る「ニードルパンチ」が高く、その次に高圧水流の噴射による絡み合わせによって、繊維を結合するスパンレースが高い結果となっています。

参照:日本不織布協会:日本の不織布の製法別シェア(2020年)(※外部サイトへ遷移します)

不織布の材料は?

不織布の材料となる繊維には、自然界に存在するものから採取する「天然繊維」と、人工的に作られる「化学繊維」があります。それぞれの特徴・用途についてまとめました。

種類特徴
天然繊維・羊毛
・木綿
・麻
・絹 
・吸水性に優れている
・肌触りがよい
・衣料品に多く使用
化学繊維・ポリエステル
・ポリプロピレン
・ポリエチレン
・レーヨン
・さまざまな特性が追加できる
・強度が高い
・産業用資材・生活雑貨などに幅広く使用

関連記事:不織布とはどんな布?原料の種類・素材の特徴を解説

不織布の作り方での注意点

不織布の原料選びや、製造方法によって不織布の性能が大きく異なります。そのため、不織布の用途によって、原料の選定や製造方法を慎重に検討する必要があります。

また加工機との相性もあり、どんな繊維でも不織布に加工できるということはないため、事前によく協議しないといけません。

そして希望する不織布を作るためには、製造ラインや、想定する生産性を出し、コスト面を踏まえた「生産条件案」をもとに、加工トライをすることが求められます。

ニードルパンチ不織布とは?その特徴やデメリット

自動車用資材から土木資材まで!マルヰ産業におまかせ!

不織布の作り方についてお伝えしました。

ご希望通りの不織布を作るためには、綿密な打合せが必要です。

マルヰ産業は、自動車部品から建設業界に至るまで、日本のものづくりを影で支える「不織布」専門の製造・加工メーカーです。

お客様へのカウンセリングをもとに、さまざまな機能を持ち合わせた不織布を自社の工場で製造しています。具体的には以下のような不織布の製造が可能です。

  • 軽量のものから重量のあるもの 100g/m2~3000kg/m2
  • 薄いものから厚いもの 1mm~50mm
  • 多層構造のもの 1層~4層

「こんなもの作れるかな?」など、不織布に関してお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。