工場見学

採用情報

お問い合わせ

工場見学

採用情報

お問い合わせ

マルヰコラム

COLUMN

防草シート

2025年5月19日

法面には土留めと雑草対策をしよう|防草シートの施工方法や使用する際のポイント

法面には土留めと雑草対策をしよう|防草シートの施工方法や使用する際のポイント

人工的な傾斜地である法面には、地盤の安定を図る「土留め」と繁茂する雑草への対策が大切です。特に斜面での雑草の除去は、大きな負担となります。そこでおすすめなのが防草シートの活用です。

本記事では、法面における土留めや防草シートの役割や、防草シートの施工手順、選定のポイントを詳しく解説します。

法面に土留めが必要な理由

法面(のりめん)とは、道路建設や宅地造成の際に、土地を削ったり盛ったりして形成される人工的な傾斜地のことです。自然の山肌を削って生まれた法面は「切土法面」、土を盛って作られた法面は「盛土法面」と呼ばれます。

法面は、雨水の流入や風の影響などにより、表土が流される危険性があります。特に傾斜が強い場合は、土砂の崩落や地盤の不安定化が深刻な問題となることも珍しくありません。こうした状況を防ぐために用いられるのが「土留め」です。

土留めは、斜面の土壌を抑え込むための処置であり、コンクリートやブロックなどを設置して土の流出を食い止めます。この土留めの設置は、法面の安全性を確保するだけでなく、周囲の環境保全にも大きく貢献しています。

土留めと擁壁の違い

「土留め」と「擁壁」はどちらも法面などの傾斜地の崩落を防ぐために関わる言葉ですが、その意味には明確な違いがあります。

土留めは、斜面や崖が崩れるのを防ぐための工事全体を指す言葉で、使用される構造や方法は現場の状況に応じてさまざまです。一方で擁壁は、コンクリートなどで作られた壁状の構造物そのものを指します。つまり、擁壁は土留めを実現する手段の一つであり、「構造物」に焦点を当てた表現です。

土留め壁の種類

土留め壁の種類

土留めでは、土をせき止めるための壁「土留め壁」を設置します。土木工事における土留め壁の工法は、主に以下の4つです。

  • 親杭横矢板工法
  • 鋼矢板工法
  • 鋼管矢板工法
  • 地中連続壁工法(ソイルセメント工法)

それぞれについて、詳しく解説します。

親杭横矢板工法

親杭横矢板工法は、H鋼を一定間隔で打ち込み、接合するフランジ部分に木製の板を横向きに取り付けていく工法です。土留めの高さが低い現場に適していますが、水には弱いため、地盤が硬く地下水の影響を受けにくい場所での使用が向いています。

鋼矢板工法

鋼矢板工法は、1枚の鋼製の板(鋼矢板)を地中に打ち込むことで、背面からの土圧を支える代表的な工法です。対応できる地盤の幅が広く、硬い地層から軟弱な地盤まで柔軟に適用できます。構造が比較的シンプルで、長年にわたり多くの現場で利用されてきた工法です。

鋼管矢板工法

鋼管矢板工法は、円筒状の鋼管矢板を連続して打設し、それぞれをしっかりと接続する工法です。使用する鋼管矢板は高い強度と耐久性を備えており、大規模な土留めが求められる現場にも対応できます。

軟弱な地盤や海の中などの条件が厳しい場所でも安定した性能を発揮することから、信頼性の高い工法として広く採用されています。

地中連続壁工法(ソイルセメント工法)

地中連続壁工法(ソイルセメント工法)は、地中の土とセメント溶液などを混合・撹拌し、固化する前にH鋼を挿入して、強固な壁を形成する工法です。

土留めに限らず、完成後も構造物の一部として機能させられることから、橋の基礎工事やトンネル工事など、さまざまなシーンで適用できます。

法面の雑草対策には防草シートが有効

法面の雑草対策には防草シートが有効

法面のように傾斜がある場所では、草刈りや雑草の除去作業が非常に手間のかかる作業になります。こうした維持管理の負担を軽減する手段として、多くの現場で活用されているのが防草シートです。

防草シートは、地面に敷設することで光を遮断し、雑草の発芽や成長を抑えるシートです。薬剤に頼らず雑草の繁殖を防げるため、環境への影響を抑えつつ、長期間にわたる雑草対策ができます。施工が比較的簡単で、導入後のメンテナンスも少なく済むので、法面の管理においてはコストパフォーマンスの高い手法といえるでしょう。

また、防草シートはコンクリート舗装に比べて初期費用を抑えることができ、砕石に比べて優れた防草効果が期待できます。法面の土留めと併用することで、地盤の安定化と雑草抑制の両方を実現できるでしょう。

関連記事:防草シートの寿命は?選び方・長持ちさせる方法について徹底解説!

法面に防草シートを施工する流れ

斜面地である法面に雑草対策をしたい場合に、防草シートは非常に有効な手段です。ただし、防草シートの効果を最大限に発揮させるためには、適切な手順で施工する必要があります。ここでは、法面に防草シートを施工する流れについて紹介します。

1.法面を除草する

防草シートを敷く前に、まず法面にある雑草を丁寧に取り除きます。除草をしっかり行っておくことで、シートの密着性が高まり、施工後の効果が持続しやすくなります。

除草をおろそかにしてしまうと、残った根から再び雑草が生えてしまう可能性があるので、徹底的な下準備が欠かせません。

2.地面を整える

除草が終わったら、防草シートを敷く前に地面の状態を丁寧に整える作業を行います。落ち葉やゴミを取り除き、不要な石や障害物を除去しましょう。そのうえで、地表の凹凸をならして平らに整地していくことで、施工後の仕上がりが良くなり、防草効果を最大限に発揮できる状態になります。

地面に凹凸が残っていると、雨水が溜まりやすくなったり、風で飛ばされてきた土がたまったりする原因になり、そのわずかなスキマから雑草が発生する可能性があります。さらに、地面と防草シートが密着していないと、風によってシートがめくれやすくなるリスクが生じます。しっかりと地面を平らに整えることが、防草シートを長持ちさせるポイントです。

3.防草シートを敷く

整地が完了したら、いよいよ防草シートを敷いていきます。防草シートによれやスキマができないよう端から延長方向に伸ばしながら敷き、突起物がある場合は必要に応じてカット処理を施しましょう。めくれを防ぐためにも、地面とシートの密着度を高めることが大切です。

また、防草シートを重ねて敷く場合は、重ね幅を10cm以上確保する必要があります。重ね幅が少ないとスキマから雑草が生えてくる可能性があるので、適切な幅で施工しましょう。

このように正しい施工手順を踏むことで、防草シートの効果が最大限発揮できるようになります。

法面で防草シートを使用する際のポイント

法面で防草シートを使用する際のポイント

法面に防草シートを施工することで、雑草の繁殖を抑え、管理の手間の軽減が期待できます。ただし、斜面という特殊な地形に適した対策をしなければ、十分な効果を得られない可能性があります。そこで、ここからは法面で防草シートを使用する際のポイントを解説します。

傾斜角度を事前に確認する

防草シートは緩やかな斜面には効果的ですが、急傾斜には向いていません。特に傾きが40度を超えるような急な斜面の場合、雨水によって土砂が流れやすく、防草シートのずれや剥がれが起こるリスクが高まります。

防草シートを施工する前には必ず法面の傾斜の角度を測定し、安全にシートを設置できるかをチェックすることが重要です。

法面の土質を確認する

法面の土の状態によっては、防草シートが向いていない可能性があります。

たとえば、粘土質で滑りやすい地盤や砕石を多く含む硬い土壌では、シートがずれやすくなったり、ピンが固定しづらくなったりすることがあります。このような場合、防草シートや固定ピンを慎重に選ばなければなりません。

法面の土質に不安がある場合は、専門の施工業者や販売店に相談することをおすすめします。

耐久性に優れた防草シートを選ぶ

法面における防草シートの施工は、平地と比べて難しく、作業にも手間がかかります。また、耐久性が不十分な防草シートを使うと、設置後まもなく劣化が進み、再施工の手間やコストが発生してしまう可能性があります。そのため、法面には耐久性に優れた商品を選ぶことが重要です。

耐久性の高い防草シートとしておすすめなのが、マルヰ産業が提供する耐用年数10年以上の防草シートです。マルヰ産業ではニードルパンチ不織布を採用した防草シートを生産しており、高速道路の法面に利用されています。耐久性が高い防草シートを使用することで繰り返しの補修が不要になり、将来的な維持管理の負担が大きく軽減されるでしょう。詳しい製品情報は、マルヰ産業の公式サイトをご覧ください。

マルヰ産業が提供している製品情報の一覧はこちら

自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

自動車用資材から土木用法面防草シートまで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

今回は、法面で求められる施工内容として、土留めや雑草対策の重要性を紹介しました。

マルヰ産業は、自動車部品から建設業界に至るまで、日本のものづくりを影で支える「不織布」専門の製造・加工メーカーです。耐久性に優れたニードルパンチ不織布を用いた防草シートは、耐用年数10年以上を誇り、高速道路の法面などに採用されています。

高速道路の法面に雑草が生えてしまうと、そこから継ぎ目が広がり、崩壊するリスクが高まります。マルヰ産業の防草シートはそうしたリスクを防ぎ、日本の高速道路を守っているといえるでしょう。

マルヰ産業では防草シートだけでなく、機能性を持たせた不織布の製造が可能です。疑問点やお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。