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マルヰコラム

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人工皮革

2025年3月13日

人工皮革と合成皮革の違い|特徴や注意点、お手入れ方法を解説

人工皮革と合成皮革の違い|特徴や注意点、お手入れ方法を紹介

人工皮革と合成皮革は天然皮革に似せて作られた人工素材で、基材や特徴に違いがあります。人工皮革は不織布を基材に使用し、天然皮革の質感や構造を再現する高品質な素材として知られています。一方、合成皮革は布地を基材とし、低コストで扱いやすい点が魅力です。

本記事では、人工皮革と合成皮革の構造や特徴の違いに加え、取り扱いの注意点やお手入れ方法まで詳しく解説します。

人工皮革と合成皮革の違いとは

人工皮革と合成皮革の違いとは

人工皮革と合成皮革は、どちらも天然皮革に似せて作られた人工素材で、家具やバッグ、靴、車のシートなどさまざまな場面で利用されています。主な違いは、「基材に不織布が使われているかどうか」という点です。

以下では、人工皮革と合成皮革のそれぞれの特徴について、詳しく解説します。

人工皮革の特徴

人工皮革は、天然皮革の風合いや構造、機能を再現するために作られた高品質な人工素材です。そのベースとなる素材には、繊維を織らずに絡み合わせてシート状にした不織布が使用されています。人工皮革に用いる不織布は、マイクロファイバーによる緻密な構造のものを使用することが一般的です。

このような不織布の緻密な構造は、天然皮革にある「コラーゲン層」を再現する役割を果たします。コラーゲン層とは、天然皮革の表面の下にある、コラーゲン繊維が立体的に絡み合った組織の部分です。人工皮革はこのコラーゲン層を模倣し、天然皮革の質感に近づけています。

人工皮革の最大の特徴は、その高い耐久性と風合いです。天然皮革に匹敵する風合いを再現しつつ、水や汚れに対して優れた耐久性を発揮します。ただし、人工皮革は製造に高度な技術と手間が必要になることから、合成皮革に比べて価格が高い傾向があります。そのため、家具や車のシートなどの長く使われるアイテムに使われることが多いといえるでしょう。

関連記事:人工皮革のメリットとデメリットを解説!弱点をカバーするためにできることとは

合成皮革の特徴

合成皮革は、編物や織物といった布地を基材に用い、その表面にウレタン樹脂をコーティングして天然皮革に似せた人工素材です。ウレタン樹脂の層には型押しで柄を入れ、天然皮革を再現しています。しかし、構造や風合いは天然皮革とは異なり、表面にビニール特有の質感が残るため、高級感や本物感が求められる場面にはあまり向いていません。

合成皮革は、人工皮革と比べて基材として使われる布地が安価です。そのため、普段使いのバッグや安価なスニーカーなどの、低価格帯の商品や大量生産品に多く用いられています。また、編物や織物を基材にしていることから、フィット感やグリップ力に優れている点が特徴です。

一方で、合成皮革は耐久性が求められる用途には向いていません。低コストで手軽に扱える点が強みではあるものの、使用環境や求める品質によっては限界があります。高級感や長期的な耐久性を重視する製品には人工皮革、気軽に使える製品や短期間の使用を想定したアイテムには合成皮革が適しているといえるでしょう。

人工皮革・合成皮革が目指す天然皮革とは

人工皮革・合成皮革が目指す天然皮革とは

天然皮革とは、動物の皮を加工して作られる自然由来の革のことです。独自の風合いや経年変化が楽しめることから、長年多くの人々に愛用されています。本物の革という意味で「本革」、英語では「real leather」や「genuine leather」という表現が用いられます。

天然皮革は、「銀面層」と「コラーゲン層」という二層構造です。銀面層は動物の表皮に近い部分で、非常に緻密な繊維構造を持っています。それに対して、表面の下にあるコラーゲン層の部分は、コラーゲンの繊維が立体的に絡み合い、丈夫で柔軟性のある組織を形成しています。

天然皮革は使用を重ねるごとに手に馴染む点、また微妙な変化を見せる点が魅力であり、人工皮革や合成皮革では再現が難しいポイントです。このような質の高さを受けて、人工皮革や合成皮革は天然皮革の特長に近づくことを目指して開発されています。

人工皮革・合成皮革の注意点

人工皮革・合成皮革の注意点

人工皮革や合成皮革を使用する際には、素材特有の取り扱いに注意が必要です。まず、暖房器具の近くや直射日光が当たる場所に長時間放置することや、直接アイロンをかけることは避けましょう。表面にコーティングされた樹脂が熱で溶けてしまい、劣化や変形の原因になります。

さらに、保管の仕方にも注意が必要です。ビニール袋に入れたまま保管すると、通気性が悪くなり、湿気がこもってカビや劣化を引き起こす恐れがあります。特に、人工皮革や合成皮革は「ポリウレタン」などの化学繊維を使用しているため、湿気や高温に弱い性質があります。長期間保管する際は通気性の良い布袋に入れるか、風通しの良い場所で保管するようにしましょう。

雨などで濡れてしまった場合には、水をこまめに拭き取ることが大切です。濡れたまま放置すると、表面の樹脂が傷みやすくなり、ひび割れや色あせの原因になります。特に衣類の場合は、着用後に陰干しをしてしっかりと乾燥させましょう。水分を吸った状態でクローゼットにしまい込むと、カビが発生することがあります。

いくつか注意点を守ることで、人工皮革や合成皮革の製品をより長く、美しい状態で使用できます。取り扱い方を工夫し、素材の特性を活かしたケアを心がけましょう。

人工皮革・合成皮革のお手入れ方法

人工皮革や合成皮革の製品に「洗濯可能」と表示されていても、丸洗いは避けたほうが無難です。汚れが気になる場合は、ぬるま湯で濡らして固く絞ったタオルを使い、表面を優しく拭きましょう。軽く拭き取る程度であれば、表面のコーティングを保持しながら清潔に保つことが可能です。

頑固な汚れがある場合には、ぬるま湯にデリケート衣類用洗剤を少量混ぜた溶液を使用します。洗剤をタオルに含ませて、汚れた部分を優しく拭くことで、より効果的に汚れを取り除けるでしょう。

また、人工皮革や合成皮革はドライクリーニングに適していません。ドライクリーニングをすると硬化のリスクが高いことから、水洗いが推奨されています。どうしてもドライクリーニングをしたい場合は、お手持ちの人工皮革や合成皮革が硬化したりPVC部分が膨張したりしないかを調べてから出しましょう。

人工皮革や合成皮革は本革よりお手入れがしやすいことが特徴のひとつですが、適切な方法でケアしないと劣化を早めてしまうかもしれません。適切な方法でお手入れをして、製品の外観や質感を損なわずに長く愛用しましょう。

自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

リサイクルポリエステル繊維を活かしたマルヰ産業の取り組み

今回は、人工皮革と合成皮革との違いについてお伝えしました。

マルヰ産業は、自動車部品から建設業界に至るまで、日本のものづくりを影で支える「不織布」専門の製造・加工メーカーです。

機能性を持たせた不織布の製造が可能ですので、疑問点やお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。