繊維分野での生産性の向上・安定には繊維機械の電装化が重要となりますが、電装にはどのような種類やメリットがあるのでしょうか。
今回は、繊維機械の電装についてメリットや市場の現状をあげながら、不織布生産におけるマルヰ産業の今後の展望についてご説明いたします。
目次
機械の電装とは?
機械の電装とは、電気で動く駆動装置や制御装置を用いながら、その機械をオートマチック化することです。
さまざまな製造業の分野では機械の電装を行うことで、労働力不足を補い、かつ高品質・高効率な商品を製造することができます。
しかし、機械の電装にはイニシャルコストと一定のランニングコスト(人件費、光熱水費、保守費など)がかかってくるため、導入の際は現状の工場や従業員の規模、市場の需要、売上目標などを踏まえながら採用を検討する必要があります。
繊維機械にも電装が必要!電装のメリットとは
不織布などの繊維機械の分野では、職人の高齢化や人手不足が深刻化しています。そのため、繊維機械を電装によりアップグレードし、生産力をUPさせ安定化させることは非常に重要であると言えます。
以下に、電装のメリットを具体的に示します。
生産ラインの効率化
機械を電装することで、繊維製品の生産ラインをより安全に、無駄がなく(不要な手順の削減)運転できるようになる点が大きなメリットです。
また、生産ラインをオートメーション化することにより、稼働時間×単位数量=生産量となるので、売り上げ(生産量)の見通しが立つ点もメリットの一つと言えます。
製品の高品質化
次に、電装により機械の電気制御を行うことで、それまで会社が培ってきた技術やノウハウが再現しやすくなり、高品質の製品が製造できるのもメリットの一つです。
電装品によって、業務経験が短い社員でも先輩職人の技術やノウハウを活用することができるようになります。
また、繊維機械の電装化により、高品質化と人手不足解消の両立も実現できます。
省スペース化
電装によって機械が高効率化することで、生産ラインの省スペースを図ることができます。
それまで大きな機械で行っていた作業や、人が行っていた作業などのスペースが機械の電装化によって削減できるため工場規模が適正化でき、人件費や水光熱費などのランニングコストの見直しにもつながります。
業界の現状|繊維機械の電装化は進んでいる?
では、繊維機械の分野では電装化はどの程度進んでいるのでしょうか。
大手不織布メーカーの生産ラインでは、インバーター(交流制御装置)やシーケンサー(機械制御装置)などの電装品が採用されています。
しかし、昨今の中小企業の中には、電装なしで旧来のアナログ式で生産ラインを稼働している会社も多く、業界全体で電装化が普及しているとは言えない現状です。
例えば、材料の重さを測る場合には、コンピュータースケールなどを使用せず秤(竿秤)を使用している場合もあるなど、その会社が長年行ってきた在来的手法を継続して行っているケースも少なくありません。
繊維機械の電装の難しさとは
電装化にさまざまなメリットがあるのであれば、繊維機械でも電装を進める方がよいのではないかと考えてしまいますが、繊維機械ならではの電装を導入する難しさがあります。
それは、繊維は材料の種類やロット、気温や湿度などの環境要因などに応じて生産条件が変わるという点です。
そのような繊細な材料や工法の管理が必要な製品を生産するためには、電気制御の方法を緻密に設計する必要があるほか、繊維の特性に応じて制御パラメータを調整できる仕組みも必要になります。
繊維機械の電装化は、生産性や品質向上のために重要な一歩ですが、その実現には電装に適した材料や生産条件に対する理解と、高度な制御技術が不可欠なのです。
不織布機械の電装化|マルヰ産業の今後の展望
最後に不織布機械の電装化について、弊社マルヰ産業の今後の展望も交えてご説明いたします。
弊社では、不織布の生産を安定的に向上させるために、これまで困難であった不織布の電気制御装置を多く実装し、再現性が高い生産ラインの確立を目指していきます。これまで培ってきた職人の技術やノウハウを継承し、新しい商品に適用させていくためにも電装品の力は重要です。
自社で電装品をアップデートし、前記した生産ラインの省力化や品質向上を実現できればと思います。
例えば、ボタン一つで生産ライン全体が動き、不具合があれば信号を発信して自動で止まったり、生産中も製品や機械の変化を読み取りログを残したりするなど、今まで以上に簡単に機械を運転し、より詳細なデータを残せる電装化を目指します。
自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!
今回は、繊維機械の電装についてお伝えしました。
マルヰ産業は、自動車部品から建設業界に至るまで、日本のものづくりを影で支える「不織布」専門の製造・加工メーカーです。
機能性を持たせた不織布の製造が可能ですので、疑問点やお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。