不織布は「織らない布」、そして織布は「織る布」ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、不織布と織布の違いについて、それぞれの構造や特徴を交えながら解説します。また、不織布製と織布製の両方が適している製品の場合、どのようなポイントでどちらを選べば良いのかについてもお伝えします。
目次
不織布と織布の構造の違い
不織布と織布の大きな違いがその構造です。構造の違いによって、不織布と織布の特徴にもそれぞれ違いが現れてきます。
不織布の構造
不織布は、繊維を織らずにランダムに結合させて作るため、繊維と繊維の間にポーラス構造という小さな隙間が生まれます。
そのため、不織布の構造は、多くの隙間を有する「多孔性」があるものとなります。多孔質構造であることから、通気性や保温性、ろ過性などの不織布の基本的な特性が備わるようになるのです。
織布の構造
織布は、タテ糸とヨコ糸が垂直に交わるように織っていく構造で、タテ糸とヨコ糸は一定の規則に従って織られていきます。
糸の種類や太さ、本数や密度を変えることで織布の表面形態が変化し、丈夫な織布を作り上げることが可能です。
不織布と織布の特徴やメリットなどの違い
構造が大きく違う不織布と織布には、それぞれどのような特徴やメリット・デメリットがあるのでしょうか。
不織布の特徴とメリット・デメリット
不織布の特徴は、多孔性によってもたらされる通気性や保温性、ろ過性といった特徴のほか、どこで裁断してもほつれにくいことや、密度や厚みの調整が柔軟にできることなどの特性があります。
また、原料の組み合わせや配合を変えることで、形状を自在に変えたり、布やレザー、綿や紙のような風合いを表現できたりする点も不織布のメリットと言えるでしょう。
しかし、不織布は、原料や素材によっては劣化しやすく強度が弱いというデメリットを持ち合わせています。
耐久性が低く繰り返しの利用には向かないため、不織布製品を長い年月使用するということは不織布の構造上難しいと言えます。
織布の特徴とメリット・デメリット
織布はタテ糸とヨコ糸が直行するように配列し、上下に交差させて一定の法則に従って布を作り上げていきます。その法則の作り方や糸の組み合わせによって、頑丈で型崩れのしない布を作ることができます。
しかし、タテ糸とヨコ糸が規則正しく織られているため、隙間が不織布のようにはなく、通気性に劣るというデメリットがあります。また、裁断をすると端からほつれていってしまうという特性も、織布のデメリットの一つと言えるでしょう。
【不織布と織布】特徴の違いまとめ
不織布 | 織布 | |
---|---|---|
繊維の配列 | ランダムで方向性がない | 規則正しく方向性がある |
通気性 | 高い | 低い |
強度 | やや低い | 高い |
伸縮性 | ほとんどない | 伸縮性に欠ける(素材にもよる) |
ほつれにくさ | ほつれにくい | 端部からほつれる |
機能の追加 | さまざまな機能が追加できる | 事前に糸や機械の選定が必要 |
不織布と織布で違いがある製品の選び方
私たちの身近にある製品の中には、不織布製のものと織布製のものの両方が存在しているものがあります。
そのような製品を選ぶ際には、どのようなポイントを優先させたいかを考えて選択するようにしましょう。
以下が、不織布製と織布製がある防草シート、鞄、布巾、マスクについて選ぶ際のポイントです。
不織布 | 織布 | |
---|---|---|
防草シート | しっかり雑草を抑えたい | 低予算、コストを抑えたい |
鞄 | 低コスト、軽い、使い捨て | 強度が強い、デザイン性、高級感 |
布巾 | 低コスト、薄い、吸水性 | 何度も使用出来る |
マスク | 通気性、飛沫防止=医療用 | フィット感、繰り返し使える |
自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!
今回は不織布と織布の違いについてお伝えしました。
マルヰ産業は、自動車部品から建設業界に至るまで、日本のものづくりを影で支える「不織布」専門の製造・加工メーカーです。
さまざまな機能を持たせた不織布やご希望の用途に適した不織布の製造が可能です。
不織布についての疑問点やお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。