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マルヰコラム

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不織布 特徴

2025年4月7日

不織布の遮光率による使い分けは?農業における不織布・寒冷紗・防虫ネットの違い

不織布の遮光率による使い分けは?農業における不織布・寒冷紗・防虫ネットの違い

農作物を育てる際には、マルチシートやフィルムなどのさまざまな資材が利用されていますが、中でも、不織布は作物の生育環境を整えるために欠かせない農業資材の一つ。特に、不織布は密度によって遮光率が変わるため、農作物を効率的に育てるには用途に応じて適した不織布を選ぶことが大切です。

そこで本記事では、不織布における遮光率について解説するとともに、比較されることの多い「寒冷紗」や「防虫ネット」との違いについてまとめていきます。それぞれの特徴や具体的な使用例などもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

不織布の遮光率は?

不織布とは、文字通り「織らない布」のことで、繊維を一定方向、もしくはランダムに絡み合わせて作られます。この不織布は、繊維の間に程よくすき間ができることから、通気性や吸水性、保湿性に優れているのが特徴。たとえば、農業だと保温・防霜などに多く使われています。

一般的に不織布には、光を通す性質がありますが、実は繊維の密度によってその「遮光率」は異なります。遮光率とは、可視光線と呼ばれる光を遮る割合のこと。不織布の密度によっては、この遮光率が99%以上になるものもあるため、用途に応じて適した不織布を選ぶことが大切です。

不織布の遮光率による使い分け

不織布における遮光率は、その構造や密度によってさまざまですが、一般的にどのように使い分けられているのでしょうか?

遮光率が高い不織布

遮光率が高い不織布の場合は、防草シートとして活用することができます。たとえば、田畑の雑草に困っている場合、高い遮光率の不織布を防草シートとして利用すれば、日光を遮断して植物の光合成を防ぐことが可能。雑草の繁殖を防ぐことができるため、除草作業の負担を軽減することができます。

また、遮光率が高い不織布は、農業のほかにも土木用の防草シートとして高速道路の法面などに活用されています。高速道路の法面は雑草が生えると継ぎ目が広がり、崩壊のリスクが高まりますが、防草シートの高い遮光性により雑草の繁殖を抑え、道路の安全を守ることが可能です。

私たちマルヰ産業でも、遮光率99%、耐用年数10年以上の高性能な不織布を取り扱っていますが、上記のような農業や土木など、幅広いシーンで遮光率の高い不織布が活躍しています。

遮光率が低い不織布

高い遮光率によって防草シートとして活用されている不織布ですが、反対に遮光率の低い不織布も農業では活躍します。

たとえば、密度を抑えた遮光率が低いタイプの不織布は、通気性と保温性を兼ね備えているのが特徴。その特徴を活用すれば、植物の成長をサポートする保護資材として機能します。このように、不織布は農業において欠かせない存在だといえるでしょう。

関連記事:農業用不織布とは?使い方や原料、効果を高める製造方法について

寒冷紗や防虫ネットとの違いは?農業における不織布の特徴

寒冷紗や防虫ネットとの違いは?農業における不織布の特徴

遮光率の高さによって使い分けられている不織布ですが、農業においては、この不織布以外にも、寒冷紗と呼ばれるシートや防虫ネットなどが目的によって使い分けられています。では、これらにはどのような違いがあるのでしょうか?

ここからは、農業における不織布の特徴や用途とともに、それぞれの違いについても詳しく解説していきます。

不織布の特徴

作物の上に直接被せる「ベタ掛け」に用いられることが多いのが不織布です。網目がなく密度の高い構造を持つ不織布は防虫に適しており、不織布で農作物を覆うことによって、肉眼では見えないほどの小さな害虫でも侵入を防ぐことができます。

また、不織布には熱を閉じ込めやすいという特徴も。保湿効果があるため、暑い季節にはあまり向いていませんが、寒い季節には保温資材として有効に活用することができます。ただし、不織布の構造上、一般的な布よりも水を通しにくいため、不織布を被せたままの状態で農作物に水やりをするのは難しいでしょう。

関連記事:不織布とはどんな布?原料の種類・素材の特徴を解説

寒冷紗の特徴

寒冷紗は、不織布や防虫ネットと似ていますが、保温効果のほか防風や遮光といった機能性を備えた資材です。

初春には育苗用として活用されており、夏には強い日差しを遮るための遮光資材、冬には防寒や風除け、霜よけとして使用されるなど、季節ごとにさまざまな用途があります。この寒冷紗は、不織布よりも網目が比較的大きいことで、農作物にかけたままでも水やりができる点が特徴です。

網目状の構造になっている寒冷紗は、適度な保温性と通気性を兼ね備えていますが、遮光率も高いため、農業で使用する際には、適切に管理しないと日照不足を引き起こす可能性があります。ですので、季節ごとに寒冷紗のほうが適しているのか、防虫ネットのほうが適しているのかなどを検討しながら使い分けることが大切です。

また、梅雨の時期には湿度が上がるため、根腐れや日照不足のリスクにも注意が必要です。寒冷紗には白色と黒色があり、それぞれの色で遮光率が異なります。白色は70~80%、黒色は50~90%と幅があるため、用途や目的に応じて選択しましょう。

防虫ネットの特徴

防虫ネットとは、その名の通り、防虫に特化している資材です。不織布とは違って荒く平織りにされた布で作られており、構造は前述の寒冷紗と同じですが、寒冷紗よりも網目が細かい点に特徴があります。

この防虫ネットは、虫を防ぐという役割に特化していることから、遮光効果や通気性はあまりありません。保温や防風、遮光などの用途で利用したい場合は、不織布か寒冷紗を使用するのが良いでしょう。

どう利用する?不織布の具体的な使い方

どう利用する?不織布の具体的な使い方

不織布をはじめとした農業資材は、それぞれの特性を理解して適切に使い分けることで、作物の生育環境を整えることができます。ここでは、実際に農業の現場で不織布などの農業用シートがどのように使われているのか、それぞれ代表的な例をご紹介します。

不織布の使い方

不織布は、種まき直後に使用されることが一般的です。盛り土をして種を植える場所を整地した後に種を撒き、土を被せずに不織布のみをかけるなどで使用されています。

特に、レタスやセロリのような野菜やしそ科の植物などは、種まき後に土を被せないほうが、発芽率が上がりやすくなるため、効率的に生育することができます。

さらに不織布は、苗を植えつける際の保温対策として活用することも可能です。作物の上に不織布を被せたら、畝の周囲に土を置いて固定し、不織布が風で飛ばされるのを防ぎましょう。不織布を適切に利用することで発芽や苗の成長を促進するため、農作業の効率化が期待できます。

寒冷紗と防虫ネットの使い方

寒冷紗と防虫ネットは、支柱を使って畝をアーチ状に覆う「トンネル掛け」または「トンネル栽培」と呼ばれる栽培手法で使われるのが一般的です。この手法を使用することで、風通しを確保しながら作物を保護することができます。

支柱の高さは畝幅の半分以下にし、地面に対して斜めに差し込むことで安定性を確保します。支柱は40~50cm間隔で設置し、両端に隙間ができないよう、シートのサイズには適度な余裕を持たせておきましょう。しっかりと畝の前に広げて確認してから切ることで、サイズのズレが防げます。

そして、切り取ったシートは支柱の上に被せ、両端をクリップで固定。小口側はねじって束ねたうえで重石を置き、風で飛ばされないようにします。

なお、寒冷紗や防虫ネットのほかに、苗床に土の表面を覆う藁や農業用マルチシートを張っておくことで、地温を上げたり雑草の抑制効果を高めたりすることが可能です。

生分解繊維の不織布を生産!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

今回は、不織布の遮光率のほか、農業における不織布の特徴とともに、寒冷紗や防虫ネットとの違いについてお伝えしました。マルヰ産業は、自動車部品から建設業界に至るまで、日本のものづくりを影で支える「不織布」専門の製造・加工メーカーです。

マルヰ産業では、生分解繊維の不織布を生産しています。農業に欠かせない不織布を環境に優しい素材で生産することが可能です。また、生分解性繊維で生産した環境負荷の低い不織布を安定供給できるよう、数年前から開発に取り組んでいます。

機能性を持たせた不織布の製造が可能ですので、疑問点やお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。