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マルヰコラム

COLUMN

バイオマスプラスチック

2024年2月27日

バイオマスプラスチックの用途とメリットは?不織布への活用に向けて

バイオマスプラスチックの用途とメリットは?不織布への活用に向けて

バイオマスプラスチックは、植物から生まれた再生可能な有機資源であり、CO2排出量を削減する地球にやさしい素材として、用途の幅も広がってきています。

今回は、バイオマスプラスチックのメリットをあげながら、その用途についてご説明します。また、バイオマスプラスチックをどのように不織布に活用できるのかについてもお伝えします。

バイオマスプラスチックとは

バイオマスプラスチックとは、日本バイオプラスチック協会(JBPA)では、「原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み、科学的又は生物学的に合成することにより得られる高分子材料」と定義されています。

参考:日本バイオプラスチック協会HP

具体的には、トウモロコシやサトウキビなどの植物由来の原料を利用して作られており、用途としての寿命を終えた場合に、焼却処分を行っても環境への負担が少ないとされています。

前記したバイオマスプラスチックは、原料の違いで大きく「全面的バイオマス原料プラスチック」と「部分的バイオマス原料プラスチック」に大別できます。

前者は、原料が100%バイオマスのプラスチックで、バイオPE(ポリエチレン)、バイオPP(ポリプロピレン)、バイオPA11などの樹脂が該当します。

後者は原料が100%バイオマスではなく原料の一部がバイオマスであるものを指し、バイオPETやバイオPA610、PBS(ポリブチレンサクシネート)などが該当します。

バイオマスプラスチックとは

バイオマスプラスチックを活用するメリット

では、バイオマスプラスチックを活用するメリットはどのような点があるのでしょうか。

カーボンニュートラル

バイオマスプラスチックを燃やす際に発生するCO2とその原料となる植物が光合成で吸収するCO2の総量が±0(ニュートラル)状態になるため、原料である植物を生産する限り、発生するCO2の量が実質的に増加しない、つまり、カーボンニュートラルとなる点が大きなメリットとなります。

参考:環境省脱炭素ポータル

資源循環が可能

従来のプラスチックの原料は石油であり、石油は人の手によって生成できない有限な資源です。

また、プラスチックは自然界に戻らない非生分解性の物質であることから、資源循環はできませんが、バイオマスプラスチックの原料は再生可能な植物(1~10年サイクルで再生産が可能で枯渇の心配がない資源)であるため、資源循環が可能になり、持続可能な社会に寄与することができます。

化石燃料の使用量を削減可能

従来のプラスチックからバイオマスプラスチックに移行することで、原料の化石燃料の使用量を削減することができます。

バイオプラスチックの導入には、コストや生産体制などの検討事項は多々ありますが、地球資源問題を解決する手法の一つとして、今後の研究が期待されています。

バイオマスプラスチックの用途とは

バイオマスプラスチックの用途とは

次にバイオマスプラスチックの具体的な用途について、プラスチック樹脂別にご説明します。

バイオPE(バイオポリエチレン)

バイオPEは国内のバイオプラスチック需要量の30%以上を占める代表的なバイオマスプラスチックの一つです。

非分解性の全面的バイオマス原料プラスチックで、生成時や廃棄時のCO2排出量を最大70程度縮減できる材料として注目を集めています。

最も身近な用途として、レジ袋やごみ袋、食品や化粧品などの容器、包装などが挙げられます。

バイオPP(バイオポリプロピレン)

バイオPPも国内でよく使用されているバイオマスプラスチックです。

強度や耐熱性に優れており、一般的には食品容器や日用品、自動車用部品などに幅広く採用されています。

バイオPA11(バイオポリアミド11)

バイオPA11は、ひまし油から作られる100%植物由来のプラスチックです。バイオPA11を使用した製品を採用することで、環境配慮を踏まえた会社であると、企業価値を高めることができます。

なお、バイオPA11は耐熱性や耐薬品性に優れており、こちらは自動車や電気機器の部品などに採用されています。

PLA(ポリ乳酸)

ポリ乳酸は、サトウキビやトウモロコシ、トウキビなどの植物であり、微生物によって分解される生分解性のプラスチックです。

乳酸は人間の体内に存在するもので、PLAは乳酸が沢山つながってできており、人体への安全性が高い点が大きなメリットです。

よって溶ける縫合糸をはじめとした医療用品や食品容器、農業用資材などに採用されています。

バイオマスプラスチックを原料にした不織布の用途

これまでバイオマスプラスチックの特徴や主な用途についてご説明しましたが、今回ご紹介した例以外にも、バイオマスプラスチックを原料にした不織布は農業用としても広く使われています。

一般的なプラスチックであるPP(ポリプロピレン)やPET(ポリエステル)でできた不織布農業用不織布の使用方法は、不織布で農作物を覆って虫や鳥から守ったり、乾燥や風、寒さなどから防いだりと多岐にわたります。

対して、この農業用不織布を生分解性を持つバイオマスプラスチックで製造した場合、土中で分解するのでプラスチックゴミの削減になり、さらに片づけの手間も軽減。結果的に生産性の向上につながるなど、多くの可能性を秘めています。

マルヰ産業では、今後はバイオマスプラスチックを利用した家庭内で使用されるタワシやフキンなどの開発に力を入れていく予定です。使用後にコンポストで分解されれば家庭内で資源が容易に循環でき地球にやさしい製品になると考えます。

自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

今回は、バイオマスプラスチックの特徴や用途についてお伝えしました。

マルヰ産業は、自動車部品から建設業界に至るまで、日本のものづくりを影で支える「不織布」専門の製造・加工メーカーです。

機能性を持たせたさまざまな不織布の製造が可能ですので、疑問点やお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。