工場見学

採用情報

お問い合わせ

工場見学

採用情報

お問い合わせ

マルヰコラム

COLUMN

コラム

2021年8月26日

ニードルパンチ加工ってどんな技術?選ばれる理由は

ニードルパンチ加工とは、多数のニードル(針)のある機械を用いて、繊維を絡ませて「不織布」を作る技術です。

ニードルパンチ加工では、強度・厚みなど多彩な表現ができることから、不織布の製造において採用されるケースが多くありますが、そのメリット・デメリットには何があるのでしょうか。

今回はニードルパンチ加工の特徴やメリット・デメリット、ニードルパンチ加工を行う上での注意点について解説します。

ニードルパンチ加工とは

ニードルパンチ加工とは、多数のニードル(針)がある機械で、繊維を絡ませて圧着させ、不織布を作る製法です。

不織布の製法別シェアによると、ニードルパンチは2番目に高い割合となっています。

  • スパンボンド・メルトブロー  27.1%
  • ニードルパンチ  19.6%
  • スパンレース  16.8%

シェアが最も高いスパンボンド・メルトブローは、原材料である樹脂チップを溶融して積み重ね、シート状に結合させる製法で、オムツなどに使用されています。

3番目のスパンレースは、高圧水流の噴射による絡み合わせで不織布を作る製法で、やわらかな手触りになるのが特徴で、ウェットシートなどの衛生用品や、化粧用品の不織布で使用されています。

参照:日本不織布協会:日本の不織布の製法別シェア(2020年)

ニードルパンチ加工が選ばれる理由は?

ニードルパンチ加工の特徴に、重量・厚み・強度が多彩に表現できる点があります。

例えばマスクを作る機械では、紙のような薄さで、強度が低い不織布を作ります。

その他にも、ニードルパンチ加工のような「乾式不織布」を作る製法に、加熱処理を施すサーマルボンド製法がありますが、ニードル加工をしなければ、厚みや重量は出せてもニードル加工と同様な強度は出せません。

したがって、ニードルパンチ加工は求められる性能に応えうる幅が広く、不織布の製造において、支持される理由となっています。

こうして作られる!ニードルパンチの不織布ができるまで

こうして作られる!ニードルパンチの不織布ができるまで

ニードルパンチ加工の手順を確認しておきましょう。

  • ウェブ(繊維状のシート)形成
  • ニードルパンチ加工
  • 巻き取り

ニードルパンチ加工では、繊維をカードという機械に通してシート状にする(ウェブ形成)ことから始めます。

次にウェブを重ね合わせ、ニードルを往復させることによって繊維を交絡させます。最後に巻き取りを行うことで、ニードルパンチ加工を施した不織布が仕上がります。

ニードルパンチ加工でどんな生地になる?メリット・デメリット

ニードルパンチ加工でどんな生地になる?メリット・デメリット

ニードルパンチ加工にはどんなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

ニードルパンチ加工のメリット

  • 軽くて丈夫な生地が作れる
  • 安価で大量に作れる
  • さまざまな性能が追加できる(抗菌・撥水性など)

ニードルパンチ加工は、ニードルによって繊維同士を絡ませて作るので、低目付(低重量)でも強度の高い生地が作れ、さまざまな性能の追加もできます。また、一度に大量の不織布が作れるので、安価で仕上げられるメリットもあります。

ニードルパンチ加工のデメリット

  • 針を使用している
  • 表面にケバ立ちが生じることがある

ニードル加工では、多数の針という危険物を使用しているというリスクや、表面のケバ立ちが生じることがあります。そういったリスクを避けるためには、定期的な設備の点検や、品質検査が大切です。

身の回りのものから建築資材まで!ニードルパンチ加工で作られる不織布は?

ニードルパンチ加工では、ウェブの形成や針の種類などを変更することで、多様な不織布を作ることができます。

  • 建築用資材
  • 自動車内資材
  • 土木資材
  • カーペット
  • フィルター
  • 日用雑貨

ニードルパンチ不織布は、頑丈さ・接着剤不使用などの特徴を活かして、車のカーペットやスポンジなどの身の回りのものから、防草材などの土木資材など、幅広く使用されています。

ニードルパンチ加工での注意点

ニードルパンチ不織布を作る際には、どんなものを作りたいかによって、製造方法が異なるので、事前の協議が必要です。

例えば、やわらかさ・軽さ・強度が欲しい場合は、繊維選びでは細いものを中心に揃え、強度を出すために、接着繊維の分量を多くします。そして加工を行う際には、よく綿を絡めて高密度にするなどの工夫をします。

製造ライン決定や、想定する生産性を出し、コスト面を踏まえた「生産条件案」をつくり、加工トライを実施することがありますが、この条件案やトライが甘ければ、希望するものが作れないといったこともあるでしょう。

自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

自動車用資材から土木資材まで!「不織布」はマルヰ産業におまかせ!

ニードルパンチ加工の特徴についてお伝えしました。

ニードルパンチ加工で、希望通りの不織布を作るためには、綿密な打合せが必要です。

マルヰ産業は、自動車部品から建設業界に至るまで、日本のものづくりを下支えする「不織布」専門の製造・加工メーカーです。

お客様へのカウンセリングをもとに、求められる品質を実現する為の「ベストな製造条件」を生み出し、トライし続けることに尽力しています。

「こんなもの作れるかな?」など、不織布に関してお困りごとがありましたらお気軽にご相談ください。